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パリで2024年7月26日、ボートに乗って五輪の開会式に参加するウクライナ代表団=ロイター
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 ロシアによるウクライナ侵攻とイスラエルによるパレスチナ攻撃が続く中、パリで五輪が開幕した。「平和の祭典」の理念は過酷な現実に直面し続けている。

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 五輪の直前、ウクライナを訪れた。ロシアが全面侵攻してから10回目になる。

 首都キーウ中心部の体育館は屋根や壁がミサイル攻撃で吹き飛んでいた。こんな風に破壊されたスポーツ施設がウクライナには500以上ある。アスリートは、487人が殺された。

 西部リビウでは、未来の五輪出場をめざす学生たちのレスリング大会が開かれていた。電力不足で、発電機の音が街中に響く。欧州3位の実績を持つ学生ビクトルさん(17)は北部ハルキウのスポーツ学校に通っていたが、それも砲撃で大破した。電気が止まり、暗闇で練習することもある。「平和な環境で生き、トレーニングがしたい」。水泳のパラリンピアンのダニーロさん(35)はロシアの侵攻後、「スポーツは人々に必要なのだろうか」と自問し、もがいた。約9カ月後に練習を再開したのは、現状を大舞台で伝えたいから。

 戦時下のアスリートたちには…

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